終了

館内展示

第42回
福やござれ-寿ぎの美・新春に集う

平成19年(2007)1月6日(土) ~ 3月11日(日)
宮内庁三の丸尚蔵館

第42回「福やござれ-寿ぎの美・新春に集う」の展覧会図録表紙画像

古くから人々は幸せな生活を願い、多くの福が訪れることを祈りました。一年の間に行われる様々な行事、誕生や成年、結婚などの祝儀は、常に人々の生活、人生と結びついて行われるものであり、そこには物事が吉となることを願い、祝う意図が含まれています。我が国における吉の思想は中国に倣って発展しており、身近な自然や信仰と結びつく中で、そのイメージが具体的な形に表されるようになりました。長寿とされる鶴亀や常緑の松、福の神などはそうした寿(ことほ)ぎを表す形です。これら古くに取り入れられた吉祥の造形は、日本の風土の中で独自の発達をみせ、貴顕から庶民まで幅広く親しまれてきました。

当館の所蔵品には、明治期以降の皇室の御慶事に際して献上された、寿ぎの美が表された作品が多く含まれています。今回の展覧会では、新春にちなみ、新たな年に福の神を迎え、初夢に願いを込める正月を飾る品々を中心に、松竹梅に鶴亀、七福神や宝船など、幅広く親しまれた題材の作品を紹介します。

本展では、これら美しい寿ぎの品々を通して、そこに込められたさまざまな意味とその形に親しむとともに、忘れられつつある懐かしい日本の姿に想いを馳せていただければ幸いです。