終了

館内展示

特別展
デンマーク王室の陶磁コレクション-ロイヤル・コペンハーゲン

平成16年(2004)9月30日(木) ~ 12月12日(日)
宮内庁三の丸尚蔵館

特別展「デンマーク王室の陶磁コレクション-ロイヤル・コペンハーゲン」の展覧会図録表紙画像

デンマーク王国が世界に誇るロイヤル・コペンハーゲンの製品は、王族の協同経営のもとに1775年に製作がはじめられて以降、今日にいたるまで、北欧を代表する王室ゆかりの高級美術磁器として、ひろく知られています。

とりわけ、同社が王立磁器製作所であった1790年には、世界で最も優美なテーブル・アートと謳われる〈フローラ・ダニカ〉が生みだされ、ロイヤル・コペンハーゲンの地位を西欧陶磁史上に不動のものとすることになりました。そのうち1803年までに完成したオリジナル作品群の現存品は現在、コペンハーゲンの王宮内にデンマーク王国の至宝として、保管され続けています。

その後、王室の直営工場から離れたのちも、ロイヤル・コペンハーゲン磁器製作所は王室の擁護のもとで優れた製品の数々を送りだしていきます。なかでも、アーノルト・クローがアート・ディレクターをつとめた19世紀末から20世紀初頭にかけては、透き通るような白地につややかな青色の花文様をあしらった〈ブルー・フルーテッド〉や、日本の美術、工芸に刺戟を受けた日本趣味の製品を数多く創出して、一躍世界中にロイヤル・コペンハーゲンの名前を知らしめました。これらの貴重なオリジナル作品は、ロイヤル・コペンハーゲン美術館に収蔵されており、訪れるひとびとを魅了しています。

本展覧会は、こうしたデンマーク王国が生んだ美の精華ともいうべき、18世紀末から20世紀前半にかけてのふたつの歴史的名品群を選りすぐって紹介することで、デンマーク王国の美術工芸の真髄に触れていただこうとするものです。

本展覧会を通じて、ひろく日本のひとびとにデンマーク文化に対する理解を深めていただければ、幸いです。また、本展覧会の開催が、日本とデンマーク両国間の交流をよりいっそう深める機会となることを願ってやみません。