終了

館内展示

第21回
慶びの小箱-ボンボニエ-ルの意匠美

平成12年(2000)4月29日(土) ~ 8月6日(日)
宮内庁三の丸尚蔵館

第21回「慶びの小箱-ボンボニエ-ルの意匠美」の展覧会図録表紙画像

ボンボニエールとは、フランス語でボンボン(砂糖菓子)を入れる小箱のことです。ヨーロッパでは、子供の誕生祝い、結婚式などで幸福を彩るものとして砂糖菓子が祝いの場に添えられることがあります。日本の皇室でも近代以降、この習慣を取り入れ、お菓子を入れた小さな箱を御慶事などの引き出物として用いるようになりました。

こうしたボンボニエールが皇室でいつ頃から用いられはじめたかは、必ずしも明らかではありませんが、少なくとも明治27年の明治天皇大婚25年の饗宴の際には用いられており、以後、天皇の即位、立太子、あるいはお子様方の誕生、着袴、成年式、結婚式などの御慶事の際に記念の品として、その都度、意匠を凝らしたものが制作されました。それらは銀製のものを中心として、中には七宝を併用したもの、木製漆塗、陶器、竹製のものもあります。

今回の展覧会では、特に意匠や制作技術が多彩な昭和前期までのものを中心として、可愛らしさと美しさを兼ねそなえたボンボニエールを約150点紹介します。現在に至るまでなお皇室の御慶事に添えられる、これらボンボニエールの展示を通じて、皇室独自の工芸美に触れていただければ幸いです。