終了

館内展示

第62回
若梅に撫子-旧高松宮家と伝来の品々

平成25年(2013)3月26日(火) ~ 7月15日(月)
宮内庁三の丸尚蔵館

第62回「若梅に撫子-旧高松宮家と伝来の品々」の展覧会図録表紙画像

高松宮家は大正2年(1913)に創立された宮家です。高松宮宣仁親王殿下は、明治38年(1905)1月3日、皇太子嘉仁親王(大正天皇)の第3皇男子としてご誕生になりました。そして、大正2年7月6日、有栖川宮威仁親王薨去(こうきょ)によって断絶となった有栖川宮家の祭祀を継承させるため、大正天皇より高松宮の宮号を賜り、わずか8歳で宮家の当主となられました。学習院、海軍兵学校へと進まれた殿下は、昭和5年(1930)2月4日、德川喜久子様とご結婚になり、同年、昭和天皇の御名代としてイギリス、スペインを公式訪問されたほか、欧米諸国を1年以上の期間にわたってご旅行になり、国際親善に努められました。ご帰国後は、わが国未曽有の困難な時期を迎える中で、海軍将校として各地へ派遣され多忙な日々を過ごされました。

戦後、宣仁親王殿下は国際親善、厚生、美術工芸、スポーツなど多彩な部門の団体の総裁に就任され、妃殿下とご一緒に記念式典や大会にご臨席になるなどして関係者を励まされ、各分野がそれぞれに発展してゆく様子を温かく見守られました。宣仁親王殿下は昭和62年2月3日、82歳で薨去されましたが、その後は妃殿下が宮家当主となられて、平成16年12月18日に92歳で薨去されるまで、芸術文化の振興や社会福祉の拡充に寄与されました。

本展覧会では、当館が御遺贈を受けた品々の中から両殿下にゆかりの深い品々に加え、大正天皇、貞明皇后の御遺品や旧有栖川宮家から引き継がれた優品の数々を通して、両殿下と美術との深いつながりを紹介いたします。