終了

館内展示

第26回
宮中の調度-棚と棚飾り

平成13年(2001)9月29日(土) ~ 12月9日(日)
宮内庁三の丸尚蔵館

第26回「宮中の調度-棚と棚飾り」の展覧会図録表紙画像

古くから室内を飾ってきた日本の調度のひとつに棚があります。棚は、収納や、置物を載せるという実用的な役割を担うと同時に、蒔絵や彫刻、飾金具などで彩られることにより、棚それ自体が、室内装飾の中でも重要な位置を占めてきました。

当館には皇室に伝えられてきた棚が数多く収蔵されています。その制作された年代は江戸時代後期から昭和初期までと幅広く、形式や意匠もさまざまなものです。江戸時代後期の棚は、どちらかというと日常的な空間で使用されたものが多く、そのほか、婚礼調度の伝統に根ざしたものも伝えられています。一方、近代期に入ると、御下命による制作、博覧会や展覧会出品作の御買上げ、御慶事などの際に献上を受けることで、宮中に収められました。その中には、当時の工芸技術の粋が結集された、近代期の漆工芸を代表する作品も含まれています。また、この時期のものには、専用の棚飾り品をともなっている作例も見られます。

本展覧会では、これらの棚と棚飾り品を一堂に紹介いたします。時代の変化にともなう調度の様相の移り変わりを感じながら、ひとつひとつの作品に見られる優れた技量と、多彩な意匠を楽しんでいただければ幸いです。