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館内展示
御即位10年記念特別展 第6回展
饗宴-近代のテ―ブル・ア―ト
平成12年(2000)1月15日(土) ~ 2月6日(日)
宮内庁三の丸尚蔵館
天皇陛下の御即位10年を記念する特別展シリーズ全6回の結びの企画として、「饗宴-近代のテーブル・アート」を開催いたします。
本展では、シリーズ第4回展の「饗宴-伝統の美」のいわば続篇として、明治期以降の宮中での饗宴を中心とする宴席で実際に用いられ、今日まで伝えられている当庁大膳課保管の陶磁器、ガラス器、銀器の各洋食器類のうち、とりわけ形状や装飾の美しさに優れ、テーブル・アートと称するにふさわしいものの数々を紹介することにしました。
これらの洋食器類は、明治初期に輸入された19世紀イギリス製品のわずかな現存例を除けば、イギリスやフランス製品などをモデルとして日本で摸倣製作されたり、和風の意匠や形状を取り入れて、まったく新たに創出された国内製品が大部分を占めています。そのなかには、日本の陶磁洋食器製造の先駆者・幹山伝七の手になるものや、主に明治10年代に九州・有田の精磁会社が製造した各種陶磁食器類のほか、江戸切子の流れを引く希少なカット・ガラス鉢など、洋食器史のみならず、日本近代工芸史を語るうえで欠かすことができないであろう貴重な作例が少なくありません。また、イギリスのヴィクトリア朝様式をひとつのベースとしつつ、宮中独得のデザインが施されたさまざまな銀器にも興味がひかれます。
本展は、従来はほとんど知られることのなかったこれら洋食器類を一堂に展示することにより、その工芸品としての史的価値を改めて検証するとともに、宮中における近代の洋風饗宴美の一端に触れていただく機会としようとするものです。