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館内展示

御即位10年記念特別展 第4回展
饗宴-伝統の美

平成11年(1999)11月14日(日) ~ 11月28日(日)
宮内庁三の丸尚蔵館

御即位10年記念特別展 第4回展「饗宴-伝統の美」の展覧会図録表紙画像

御即位10年を記念しての展覧会の第4回は、宮中で行われる饗宴の様子の一端と、その伝統美を紹介します。

宮中では、古くより祭事や儀式に際して、その参会者に酒食をふるまう饗宴が行われてきました。これらには、正月元旦の節会のほか、3月3日の春の遊宴(曲水宴)、9月9日の重陽節会のように、管弦歌舞、詩歌の献上などが行われて、文学や芸能の発達を促すこととなったものも少なくありませんでした。

このような饗宴の中でも、規模が大きく、盛大なものは、特に《大饗》と呼ばれます。平安時代には、東宮や中宮が正月に臣下の拝賀を受け、もてなしをする〈二宮大饗〉や、大臣任命の時に行う〈大臣大饗〉などがありました。

しかし、宮中行事は、歴史の変遷と共に整理されたり、衰退したり、また復興したりと、その変化も少なくありません。その中で、即位に関わる儀式や行事は、現在まで連綿とその伝統を受け継いできたものです。

即位の時に行われる大嘗祭は、稲作が発達した我が国で、古くより宮中で行われているものですが、その後に行われる宴は〈豊明節会〉と呼ばれる、規模の大きな饗宴でした。近代以後は、古くからの伝統にのっとりながらも、新しい皇室の在り方にふさわしい行事の形に整えられて、大嘗祭の後に行われる宴を、《大饗》としています。

この度の展覧会では、平成の大饗の析の天皇皇后両陛下の御座一式を中心に、この大饗に用いられた、御膳、歌舞などと、その歴史性を紹介しています。これらを通して、皇室に受け継がれてきた宮中の伝統美に触れていただければ幸いです。