終了

館内展示

第70回
1920s-30s モダン・エイジ-光と影の造型美

平成27年(2015)9月12日(土) ~ 12月6日(日)
宮内庁三の丸尚蔵館

第70回「1920s-30s モダン・エイジ-光と影の造型美」の展覧会図録表紙画像

1920年代から30年代にかけての時代は、各国に大きな傷跡を残し深い影を投げ掛けた第一次世界大戦の惨禍を克服し、その復興の勢いの中で光彩を放つ新しい芸術文化が開花しました。

わが国では、この時期は大正末期から昭和初期に当たり、大戦の影響を受けて輸出の増加による大戦景気に沸いた直後でした。東京は大正12年(1923)の関東大震災による被災から、その復興計画を通じて近代都市へと生まれ変わり、流行に敏感な若者を中心に人々の生活にも変化が起こりました。美術の世界では、西洋の表現主義やシュールレアリスムなどの影響を受けた新たな創作が始まり、意欲的な作品の数々が生み出されました。そのような中で、皇太子であった昭和天皇は、大正10年にヨーロッパ諸国を訪問され、最先端の美術にも触れられました。この時に持ち帰られた品々を始め、その後の皇室御慶事の折に国内外から贈られたモダンな美術工芸品が、宮中の室内装飾として用いられました。

本展では、この当時に制作され皇室へ贈られたヨーロッパの美術工芸品と共に、アール・デコなど西洋の新しい美術様式に影響を受けたわが国の作品や、大正ロマン、昭和モダンとも呼ばれる同時代の社会風俗を表した作品を紹介します。