終了

館内展示

第18回
志士たちの書画

平成10年(1998)1月10日(土) ~ 3月8日(日)
宮内庁三の丸尚蔵館

第18回「志士たちの書画」の展覧会図録表紙画像

江戸時代は、将軍を頂点とした幕府が諸藩に分かれた大名を統制し、各藩がその領民を支配するという幕藩体制をしき、対外的には鎖国によって外国との交渉を絶つ政策をとりました。およそ260年という長きに及ぶ幕藩体制も、その後半の100年にかかる頃からは、根幹となる経済的基盤の変動や、その支配体制を脅かす内外のさまざまな事態が起こり始め、次第に動乱の幕末に向かって、慶応3年(1867)の大政奉還に至ります。こうした徳川幕府の崩壊が進む時代の中でさまざまな志士たちが輩出し、自己の思想をあらわし、時代の危機を説き、あるいは主義に殉じるなどで活躍しました。

今回の展覧会では、寛政頃(元年-1789年)から幕末までの間に視点をおき、必ずしも名筆・名手にかぎらず、勤王の志士をはじめ、藩主や幕臣、公家、学者など、この間に活躍した著名な人びとを選びました。その遺された自筆の書画の作品を通して、彼らの肉声を聞き、その生涯を追想し、今日からそう遠くはない近代直前のこの時代を考えるひとときをお持ちいただければ幸いです。