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館内展示

第7回
日本と中国の美術-16世紀までの名品から-

平成7年(1995)3月25日(土) ~ 6月18日(火)
宮内庁三の丸尚蔵館

第7回「日本と中国の美術-16世紀までの名品から-」の展覧会図録表紙画像

島国であるわが国は、その豊かな文化を、大陸、とりわけ中国の影響を受けつつ育んできました。大陸文化のすぐれた意匠や技法は奈良時代頃から本格的に摂取され始め、以降、各時代のあり方の中でそれぞれに受容され、特色のある文化を華開かせてきました。このたびの展覧会では、その中でも奈良~室町時代の比較的古い時期に焦点をあて、日本と中国の作品のうち、世に“名品”として知られてきた作品を前・中・後期の三期に分けて紹介します。

前期は、王義之「喪乱帖」をはじめ、皇室に残された法隆寺献納宝物の中の「木画箱」や「賢聖瓢壷」などで、中国の唐時代、あるいはわが国の奈良時代の作品を中心に、寺院に伝来した品々で構成します。中期は、中国書法の影響を受けつつ和様が確立した平安時代前期~中期の名品の数々と、唐物意識の高揚の中で受容された中国絵画の名品を紹介します。三筆の一人である空海、三跡の小野道風・藤原佐理・藤原行成の作品が揃うのをはじめ、中国絵画の名品として名高い、伝牧形谿の「蘿蔔蕪菁図」、雪窓「蘭竹図」などです。最後の後期には、平重盛や藤原定家をはじめとした平安時代後期~室町時代のいわゆる能書の書と、この時期の肖像と障壁の絵画をご覧頂きます。

名品の数々をとおして、当時の文化に接して頂くことのできる、良い機会となることと思います。