ぶりょうとうげん・えいしゅうしんきょう武陵桃源・瀛洲神境
- 大正12年(1923)
- 紙本墨画淡彩
- 2幅
- (各)175.0×47.9
絵画 - 日本・東洋画
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ぶりょうとうげん・えいしゅうしんきょう 武陵桃源・瀛洲神境
武陵桃源・瀛洲神境
中国に伝わるふたつの理想郷の情景を双幅に描き配した作である。常日頃から帝室に深い敬愛の念を抱いていた鉄斎は,京都市から制作依頼を受けた際に,自作が献上画となることを告げられていた。その緊張感ゆえか,画面には画家特有の自由奔放な描線はみられない。だが,その代わりに本作では,繊細緻密な画面構成と端正な形態把握,慎重な色彩布置が特色として浮かび上がっている。結果として,鉄斎の全画業のなかでも群を抜いて古典的ともいうべき,堅固な造型性を誇る本作が生みだされることになったわけである。(『新版 雅・美・巧(下)』H15)