収蔵品
皇居三の丸尚蔵館の収蔵品は、皇室に代々受け継がれた品々で構成されています。
江戸時代以前より皇室に伝わる作品
皇居三の丸尚蔵館の収蔵品のなかでまず注目されるのは、江戸時代以前より皇室に伝わった作品です。平安時代の名筆である京都御所伝来の《雲紙本和漢朗詠集》(国宝)、旧桂宮家伝来の海北友松《浜松図屏風》や狩野探幽《源氏物語図屏風》など、御所を中心に花開いた宮廷文化を今に伝えます。
皇室へ献上された品々
明治時代以降、社寺や旧大名家などから皇室に献上された作品も収蔵品の大きな特徴となっています。書聖として尊ばれた王羲之の書を伝える《喪乱帖》(国宝)、鎌倉時代の絵巻を代表する高階隆兼《春日権現験記絵》(国宝)や《蒙古襲来絵詞》(国宝)、狩野永徳《唐獅子図屏風》(国宝)、伊藤若冲《動植綵絵》(国宝)のように美術史を彩る著名な作品。法隆寺より皇室へ献納された《法隆寺献納宝物》や、徳川将軍家に伝えられた名刀《刀 無銘 正宗 (名物若狭正宗)》など、歴史的な評価の高い工芸作品も含まれます。
皇室の御慶事に際して献上された作品には、その当時のすぐれた美術工芸品も少なくありません。皇太子裕仁親王(後の昭和天皇)のご結婚に際して東京府より献上された《瑞彩》は、全国から選出された日本画家73名による豪華な画帖です。
御買上となった作品
また、同時代の博覧会や展覧会で皇室の御買上となった作品にも、日本美術協会美術展覧会に出品された旭玉山による牙彫の大作《官女置物》や、帝国美術院展覧会に出品された土田麦僊《罌粟》など、近代美術の優品の数々が見られます。
御下命による作品
御下命による(天皇や皇后の命を受けて制作された)作品は、皇室が制作に関与した事例として歴史的にも注目されます。《明治十二年明治天皇御下命「人物写真帖」》(重要文化財)は明治天皇の命を受けて制作された、約4,500名に上る皇族や政府高官の肖像写真を収めた写真帖です。並河靖之《七宝四季花鳥図花瓶》(重要文化財)をはじめ1900年のパリ万国博覧会に出品された一群の作品は、わが国の美術工芸の水準の高さを世界に示すため明治天皇が帝室技芸員に命じて制作されました。他にも「明治の三大製作」と呼ばれたうちの一作、川之邊一朝らによる《菊蒔絵螺鈿書棚》(重要文化財)も同じく明治天皇の命を受けて皇居の中に設けられた工場で制作された、近代漆工を代表する名品です。
近・現代における皇室の文化を象徴する作品
日本美術以外では、皇室が海外の国々との親善のなかで贈り物として受け取られた作品があります。各国の文化的特徴や民族性豊かな造形に親しむことができ、とても興味深いものです。その他、皇室の文化を伝えるものとしては、御慶事の際に出席者に配られる銀製の菓子器ボンボニエールや、明治天皇の地方巡幸に関わる写真が特筆されます。
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